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今の日本の歯科医療について 保険制度の「功」と「罪」  ー 制度の疲労と限界 —

2021.11.28

8020運動(80歳で20本歯を残そうという運動)
お口の中の歯の数が20本を割ると食べる機能が著しく低下し残っている歯にも負担が増してきます。ちょっと前まで 日本では80歳で残っているのはわずか10本ほどという結果でした。予防への関心が高まった結果 現在8020を達成している方は50%を超えました。

以前から予防大国といわれるスウェーデンでは25本以上歯が残っているのです! スウェーデンでは国民の90%が予防で定期的に歯科に通院しています。しかも日本ほどたくさん治療をしていません。
歯を削ったり 神経を抜いたり かぶせたりしていないのです。

日本とスウェーデンの健康な歯の数の差!
一体どこからくるのでしょうか?どうして日本人の口の中は銀歯だらけで 抜けていくのでしょうか?なぜなのでしょう?
それにはいろいろな要因が重なり合っています。

その要因の一つとして、日本の「歯科医療制度」の問題です。
大部分が薬で治したり自然治癒を期待する療法でなく、技術の提供が歯科の特徴です。
材料、方法、技術、経験、知識で結果が変わってくる要素があまりにも大きいといえます。その治療法の患者様への提示 最終結果は 歯科医によって違ったものとなります。

日本では歯科治療は対症療法の傾向がありました。悪いところ 困っている箇所だけを治す形です。気軽に治療を受けれるという長所も持ち合わせてはいる日本の制度ですが、保険治療では決められた限界枠の中ですることになります。(その枠はますます小さくなってしまいました)
ほとんどの対処療法的な治療はできるというものの、問題点もあります。

進歩する新しい材料、最適な方法を行おうにも 制限があるため、治療時間を十分に使い、ベストの材料、ベストの方法、最新の治療や最善の治療は この制約の中ではできないことになります。

歯並びの改善、矯正治療、審美治療、しっかり噛めるインプラント治療は保険ではできません。
現在の歯科医療で 「矯正」、「審美」、「インプラント」なしで より健康に結びつく治療は難しくなります。

「矯正」は歯並びをキレイにするというのが 目的のように思われますが、専門的立場からは正しい歯の位置(Tooth Position)を得ることで 正しい噛み合わせ、虫歯や歯周病へのリスクを減らし、結果 見た目も改善するという目的で行います。
「審美」は 自信と自尊心を取り戻すために行います。美しいものに魅かれるのは自然なことです。
「インプラント」は ブリッジのように隣の歯を削ることもなく歯を守り、噛み合わせの安定を図れ、快適性を得ることができます。

すばらしい一面も持つ日本の保険医療システムですが、十分時間をかけ、精密に、より良い材質で 自然観あふれる満足度の高い方法、長期的に安定するQOLの向上目指して質の高い治療を求めるのが困難であるため 歯科では以前から「自由診療」が存在し続けるのです。

それには条件が必要です。
「患者さんの健康のために行うという目的を理解していただけるか」
「歯科医師が 患者さんの利益のためにその価値を正しく提供できるか」

この2つの条件が揃ってベストの治療が提供できるのです。

くれぐれもお間違えなさらないで下さい。
患者さんのために 自由診療があります。 自由診療は患者さんのためにあるのです!!
食の安全を考える方は多いと思います。
歯、お口の安全を考える必要は もっとあるのです。

その場限りでなく、正しい歯科の知識を得て、長期的な目で 歯科治療を考えていただきたいと思います。

制度ができた昭和30年代の頃のように 国民全体に虫歯が
蔓延し 歯周病(当時は歯槽膿漏)の概念も極めて乏しく、歯科医の数もまだまだ足りなかった時代においては 国民の健康の平均的なレベルを上げ、対処療法で痛みを治すためにも これは国として必要な制度でした。

しかしもはやこのシステムも時代と共に問題も出てきています。
今やご自分で内容、方法を選ぶ必要性が生じてきました。
もちろんこれまでの役割を全面的に否定するものではありませんが、お口の機能、健康の維持に 本当につながるのかどうか 考え直さなくてはいけない状況ではないのでしょうか・・。

多くの方が 「悪くなってから歯科医院に行けばよい」 「奥歯は見えないから銀歯でよい。前歯ほど気にしない」 「何でも保険でもできる」という考えや理解不足があり、今も続いているわけです。

ですから 奥歯ばかり何度も治療を繰り返し、結局 治療した歯から 順番に 大切な歯を失なってしまう方が圧倒的に多いのが これまでです。

現在の日本の保険制度は「出来高払い」といわれる制度ですので「質より量」 の傾向を生み「数を追う」形につながります。
「再治療」がないと成り立たない制度といえば ちょっと言い過ぎかもしれませんが、本来 予防に努め、疾患を減らしていく目的からすると矛盾が生じます。

平均おひとり15〜20分程度の治療時間となる形になるのでしょう。応急処置は別としまして、歯の治療を正しく行おうとすると やはり毎回15分や20分などで歯科治療は到底できるものではありません。
説明だけで1時間かかること は珍しいことではなく 治療開始するまでの必要な時間です!

歯科治療は 全てにおいて本当に細かく精密にしないといけない仕事です。
さらに患者さんの理解を十分に得ないと 先に進めないため、ものすごく「時間」が必要です!
必要な「時間」をかけずして 正しい歯科治療は 不可能と思います。

治療⇒再発⇒治療⇒再発・・この悪循環が 歯の喪失に直結しています。
これが治療した数、量に正比例する「出来高払い制度」の弊害といえるのではないでしょうか・・・。

歯は 治療する度に次の段階(より治療が大げさになる方向)に間違いなく進んでしまうのです。ですから 3~4度目の治療で ついに抜歯! ということになります。
一本でも歯を失われた経験のある方には この事が身にしみてお分かりのはずです。振り返ってみてください。同じ歯ばかりを これまで治療されてこられたのでは?それが当たり前と考えるようになってしまってはいないでしょうか?歯科の特性を理解なさらず、安易に治療を繰り返して来られなかったでしょうか?

今後、間違いなく日本の社会保障費(医療費)は削減されます。これまでの制度は 医療制度、年金制度、教育制度などで見られるように これまでのシステムが疲労を起こしており 避けられないと思われます。
保険でカバーされる部分はこれまで以上に小さく、狭く、薄くなることはやむを得ません。

治療の質を求めるなら今後ますます 健康に対する自己責任、自己負担が増すことは 明らかです。これは歯科だけに限ったことではないと思います。
「予防する大切さ」を十分に理解され、自己管理を十分行い、必要以上に治療しないですむよう、あなた自身の努力で虫歯や歯周病にならないようにしていくことが大切です。

虫歯や歯周病は努力次第で9割は防げる病気です!
もし総入れ歯でしたら、噛めない 外れる 痛みがでる そんな苦しい QOLを下げるような入れ歯を何度も作り替えるのではなく、しっかり噛める入れ歯をきちんと作ることが よりよき人生につながっていくはずです。

「治療の必要が生じた時」は 今後10年、20年、30年と、長い人生の中で治療を考えることが大切です。
その段階その段階でベストを尽くし きちんと治しきる事は 10年、20年・・と経った時、確かな結果として現れてきます。
再治療を何度も繰り返してはいけないのです!
結局あとが楽なのです。

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