神経の治療(根の治療)の困難さと成功率
根の治療(根管治療)は、歯の中にあるとても細い「神経の管」をきれいに掃除して消毒し、再び細菌が入らないように封鎖する治療です。
ただし、この根の管は 非常に細く、曲がっていたり、途中で枝分かれしていたりすることが多く、人によって形が大きく異なります。 またその歯の経年的な変化で 先端に近い部分が石のように硬くなって狭くなっていることもあり、根の先の病巣まで器具を到達できないことも少なくなく、完全に掃除することが極めて難しい場合があります。
さらに、歯の中にはさまざまな種類の細菌が入り込んでおり、目に見えないほどの細い隙間や枝分かれした部分に残ってしまうことがあります。そのため、どれだけ丁寧に治療しても、再び症状が出てしまう可能性が残念ながらゼロになるわけではありません。
また、一度治療された歯をもう一度治療する場合(再治療)は、すでに詰め物や薬剤が入っているため、
• 中の材料を取り除く必要がある
• 根の管がさらに狭くなっていることがある
• 以前の治療で形が変わっていることがある
などの理由で、初めての治療よりもさらに難しくなることが多いため、「チャレンジする治療法」とも言えます。
歯科医師はできる限り成功率を高めるために、顕微鏡やルーペなどで拡大して確認しながら丁寧に治療を行いますが、歯の構造そのものの複雑さのため、治療には限界があることもあります。
様々な文献が出てばらつきはありますが、平均的な成功率として 初めての神経の治療で80%―90%、再治療では60―70%とされています。
再治療を行っても改善が得られない場合には 歯根端切除術(外科的歯内療法)あるいは抜歯ということもあり得ます。
そのため、治療後も定期的に状態を確認していくことが大切ですし、神経の治療まで至らないように 虫歯は見つかったら早めに治療し、その進行を長きに渡り予防していくことが重要なのです。

