「一番奥の歯のトラブル」 あまりにもケースが多いので 改めて述べたいと思います。
一番奥にある歯(第2大臼歯 真ん中から7番目の歯)は非常に問題が出やすい歯です。
その理由として 咬合圧(顎の筋力による)が最も加わり 歯への負担が多いことに起因します。
歯根の形態も 第一大臼歯(真ん中から6番目の歯)より短く、根の広がりも小さく 元々弱い形状のことが多く、圧に耐えにくくなっています。
そのため歯周病になりやすい方では 歯がぐらぐら揺れてきます。
歯がしっかりした方では 摩耗や歯がかけることも多く、詰め物の脱離、セラミックの破折も起こりやすい歯です。
噛み合わせも関係することがあります。左右に下の顎を動かすとき 例えば左に動かした場合 右の奥歯は離れて当たらない方が良いのに 当たってしまうことがあります。これを咬合干渉といいます。この辺りがあっても無症状の場合もありますが、時には滲みたり 痛みの原因になりことがあります。この場合は歯科医師による精査が必要です。
また親知らずの影響を受けやすく 親知らずが斜めに生えていたりすると 虫歯や 歯を支える周囲の骨の問題も生じます。また年齢を重ねると年々「噛む面の摩耗」によって知覚過敏も起こり、噛んだら痛いという現象も生じます。冷たいものも滲みやすくなります。
手入れに関しても 一番奥にあると歯ブラシが届きにくく、虫歯、歯周病リスクも高いことになり、より定期的なメンテナンスが必要となります。
神経をとると 歯の破折リスクが高くなり、歯を割って来られる場合も少なくありません。
そして歯ブラシがしにくいと同じように 歯科医師にとっても治療のしにくい場所となります。
お口を開けていただいても 前歯に比べて奥歯は上下顎の間隔は広くなく、器具が届きにくく、見えにくく、唾液の影響も受けやすい条件の場所となり、難度が増します。
これら 様々な原因で 一番奥の歯は トラブルを招きやすいのです。
やはり「過度の咬合圧」が原因となっている場合が多いというのが臨床の場での実感です。
親知らずの若い時の抜歯、歯ブラシの徹底、治療においては適切な咬合付与、修復材料の選択、歯軋り、食いしばりの強い方では夜間マウスピースの装着、他の歯を治療する場合でもこれらのことは関係してきますが 問題が起きる前に 対策できれば リスクを減らすことはできます。

